役員を対象にした海外赴任手当と源泉税

 先日、日本の親会社の役員(使用人兼務役員に該当)で、台湾の子会社に4年の予定で赴任されている方とお会いしました。彼によると、海外赴任期間中の留守宅手当が日本の親会社から支払われているが、その他の給与はすべて現地子会社負担の現地払いです。

 

 日本の親会社は、留守宅手当に関して、源泉徴収税を徴収していませんでした。その理由は、使用人兼務役員の使用人部分に該当するからという理由です。果たして、その判断が正しいかどうかです。

 

 使用人兼務役員とは、法人税法上の概念です。
※法人税法36条6項で、「役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいう。」

 ここで注意したいのが、あくまでも、法人上の規定であること。他方、源泉所得税は法人税ではなく、所得税法に基づく税金であるということです。

 

 所得税では、所得税法161条(国内源泉所得)の12号に、内国法人の役員として国外において行う勤務その他の政令で定める人的役務は、国内源泉所得に該当し、その支払いの際に、源泉所得税の対象となることを定めています。

 

 そうすると、この会社の処理は、所得税のルールに法人税の使用人兼務役員概念を当てはめていますが、その処理の正否は問題が生じていそうです。
 その他、海外に役員を赴任させる場合には、子会社への寄付金課税の問題が生じることもあり、的確な税務専門家のアドバイスが必要です。お困りの方は当事務所までご相談ください。


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