外国税額控除、修正申告ー個人の場合

2010-06-22

日本に住んでいる個人(居住者)は、すべての所得に対して、日本の所得税・地方税が課されます。外国会社から受け取る配当など、外国に源泉のある所得に対して、通常、その外国でも税金が課されるので、この配当所得は、二重に税金が課されることになります。
これは、経済的二重課税の状態にあるわけです。

このような経済的二重課税を防ぐ手段として、1)外国税額控除と、2)課税所得の計算上、支払った外国税を必要経費に算入する方法(経費算入方法)があります。

これらの方法について注意点を考えていきます。

1.どちらを選択すべきか

 外国税額控除のほうが、経費算入方式より有利です。納税額に対する効果を考えると、外国税額控除の場合、支払った外国税額そのものを一定の制限のもとに、所得税額からマイナスすることができるからです。一方、経費算入方式だと、外国税×税率(税率は、1よりも小さい)ので、税効果が外国税額控除方式より少なくなるからです。

2.外国税額控除は、期限内申告書で、申告した金額を最高限度として控除することができます。


3 経費算入方式には、そのような制限がありませんが、経費算入が認められるのは、不動産所得、一時所得、事業所得、雑所得に限られています。なぜなら、他の所得では、必要経費の概念が認められていないからです。


4.外国税額控除にするか、損金算入方式をとるかは、同一年度では、これかあれか、All or nothing方式です。例えば、不動産所得の計算上、損金算入方式で、配当所得は外国税額控除方式を利用するということは認められません。


5.外国税額控除を適用する年度は、納付することとなる日を含む年度ですが、継続適用を条件に、予定納付(源泉税も源泉分離以外は適用可能)した税金は、確定した日の属する年分で行うことも可能です。


次の例を考えてみます。

Case1) Aさんは、外国源泉の配当所得1000、外国源泉税 100 をもっていたが、確定申告するのを失念していた。税務署から申告漏れを指摘されて、修正申告を行った。

この場合、Aさんは、修正申告上、外国税額控除はできません。(注意点2の理由で)。配当所得は、我が国の源泉徴収税の対象になっていない外国配当所得は、総合課税の対象です。また、必要経費の控除は、(利子を除いて)認められていません。

 

したがって、まるまる二重課税となってしまいました。

 

Case2)Aさんは、外国源泉の不動産所得1000、外国税100で、その他の条件は同じである場合

この場合、Aさんは、修正申告上、外国税額控除はとれませんが、不動産所得の計算上、外国税額を経費に算入することができます。

以上、最近、私が相談を受けた事案をもとに説明しました。

 


 

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